雑音日和

教祖になるのが夢です。

雑音

 自意識が高くて困る。大人の厨二病ともいうべき病だろうか。いや、中二のころから治った時期が一度もあったためしがないかもしれない。だとするならばただの厨二病でありピーターパン症候群の合併症だ。自分は周りとは違うんだとかいう痛すぎる考え方のクセを捨てたい。

 

 私が人間である限り、結局はピタゴラスイッチピンボールなのだ。30秒くらいの音楽と共に仕掛けの上を走り回ってとまるあのピタゴラ玉と同じだ。物理法則に従って動くだけ。レールがあればその上を転がっていくし、進む先にドミノがあれば倒す。穴があったら落ちる。それ以外のことが許されるだろうか。

 

 要は人間大して変わらない。必死に差別化を図ろうとする人間でもむなしく、「差別化を図ろうとした人間」というごく一般的なカテゴリーに入れられてしまう。どこに行っても高校生は恋愛の話をしているし、お母さま方は子どもの状況がどうのこうのって話をしている。金属の球に木の箱が当たればトンって音がするし、金属が当たればキンってなる。市井の人々も条件を満たせばあとは同じ音が鳴る。取るに足らない声は雑音として耳に響く。

 

 だから私の発する言葉もそんな雑音の中の取るに足らない一つだ。でもそんな雑音を、生きているから発したくなるし、生きているから聞きたくなる。雑音のやり取りが世界に色と味をつけてくれるから、生きて行けたりする。

 

 誰のためにもならないかもしれないが、世界のどこかに雑音を残していきたいと思う。